ひさしぶりにブログ書きます。
とてもショックなことがあったので。
数日前、僕らが旅行中に出会った夫婦がボリビアで亡くなりました。
直前に行っていたアフリカで感染したと思われるマラリアが原因とのことです。
まだ30代の、若いカップル。
二人とも亡くなられました。
彼らとは一年半近く前に、タイのタオ島からパンガン島のフルムーンパーティに向かうフェリーの中で出会いました。
宿探しやちょっとした買い物を一緒にし、昼ご飯を食べただけで、ほんの一瞬しか出会っていません。
でも、そのほんの少しの出会いでも、彼らの素敵な笑顔、とても魅力的な雰囲気は心に焼き付いています。
その後も時々彼ら
“タビロック”のブログを見ていました。
訃報を聞いた後になって初めて、僕は彼らのブログに僕らが載っているのを見ました。
同時に彼らの写真もいっぱい見て。
とても楽しそうに、元気に写っている写真。
本当にまだ信じられない。気持ちの整理ができない。
奥さんはホテルで一人静養中に、旦那さんはその二日後に入院先の病院で亡くなった。
あんなに仲のいい二人が、苦しみながら離れ離れの最期を迎えたと思うと、胸が苦しい。
二人とも病院へ行ったのに治せなかった(発見できなかった)のは色々な不幸が重なってのことだと思うが、ボリビアのマラリア治療のレベルの低さが大きな原因の一つだろう。
どの旅行者も海外、特に途上国や後進国と呼ばれる国や地域を旅することで命のリスクが高まることは覚悟している。
僕もそうだった。
でも、そう思ってても、旅人が、生きて母国に帰るのは当たり前だと思ってた。
どうしてこんなことが起こるんだろう。
人が死ぬのは悲しい。
出会った人が死ぬのは悲しい。
同じ旅好きが死ぬのは悲しい。
「いつ死んでもいい生き方をしなければいけない」、ということは目指すところにはあるけれど、でもやっぱり死んでほしくない。
死を恐れて本当に好きなことを諦める必要はないけど、自分ができる範囲のぎりぎりのところまで、命を大切にしたい。してほしい。
僕は、今時日本人がマラリアで死ぬなんて考えていなかった。
僕らがアフリカを回った時は、蚊にはすごく警戒したし、どこか奥地で感染した時のために治療薬は一種類だけ持っていたが、そこまで危機感はなかった。
でもこんなに悲しむべきことが起こった今、やはり恐ろしい病気であることを再認識し、できうる限りの対策を旅人の皆にはしてほしい。
アフリカ以外でも熱帯地方など流行地に行った後に少しでも熱が出たら(高熱が出たら絶対に)すぐに大きな病院に行ってその可能性があることを伝えて、もし問題ないと言われても熱が下がらなければ(もしくはマラリアは発熱に周期性があるものもあるから一旦熱が下がってもまた高熱が出たら)、勇気を持って誤診と判断しもっと大きな病院へ行くか自分で治療薬を飲んでいくか。
一日でも早く行動に出てほしい。発症して数日以内に治療しないと命に関わることもあるらしいから。
僕らが持ってた治療薬(コアルテムCoartem)には英語だけど服用の方法が細かく書いてあったからそういうのは面倒がらずに事前に読んでおいて。
薬についてはこの
ページに詳しく書いてあった。
僕も知らなかったけど、原虫の耐性を考えて治療薬は数種類持ってたほうが良いとのこと。
こういうことには警戒しすぎるくらい警戒していいと思う。
二人は旅行保険の更新ができず期限が切れていたという情報もある。
そのため簡単に病院へ行けなかったのかもしれない。
(もしくは推測だけどしっかりした検査を頼めなかったのかも。)
僕らも旅の終盤は保険が切れていたから、もしその状態でただの風邪の症状だったら病院へはなかなか行けなかったかもしれない。
そう思うとますます他人事とは思えないし、他の旅行者もそうなったときにどうするか、“事前に”決めておいてほしい。
保険に入っていなくても、「マラリア流行地の後に少しでも熱が出たら絶対に病院へ行く」とか、「医療レベルが低い場所にいたなら飛行機使ってでも信頼できる所に飛ぶ」とか。
金銭的に躊躇してしまうと思ったら、必ず保険に加入しておいてほしい。
もちろんマラリア以外のリスクも十分考えて。
こうやって二人が教えてくれたことを無駄にしたくない。
いま旅行中の人、これから旅行する人。生きて帰ろう。
本当に、世界には行きたい所がいっぱいある。
多少の危険があっても本気で行きたい所には行くべきだと、今でも僕はそう思う。
タビロックの二人も、今でも多分そう言うと思う。
でも全力で、命の危険は回避してほしい。
どんな生き方をしても、死は身近にある。
そんなことは今の日本人なら分かっているだろう。
だから一瞬一瞬を大切に、本気で生きる。
小さな奇跡の集まりである“今”を全身に感じ、向かい合い、一生懸命、嘘をつかずシンプルに、楽しく生きる。
改めて感じさせてもらった。
本当に旅を楽しんでいた二人の死。
こんなに悲しい出来事はないけれど、でも、多くの人が想い続けるから、二人はずっと生き続け、永遠になる。
そんな二人だと思う。
いつまでも、どこででも、二人で楽しく旅を続けてください。
またどこかで会おうね。